食肉用柔軟剤と注射器でケミカルクッキング。
あ、ども。
最近なんだかつい食べすぎちゃうな。
そんな時期が誰にでもあるものです。
かくいうワタクシも、この冬は人生で最もよく食べています。
食欲が確変入ってるマンチー状態で、絶賛もぐもぐ中の毎日でございます。
先日もクリスマスの夜にゲリラ的に鶏の薫製を焼き、その場でお客様と一緒に平らげました。
ジューシーな肉を満腹まで平らげた時、筆舌に尽くし難い達成感を得られます。
生命をダイレクトに摂取する行為から得られる、いわば食のカタルシスのようなものです。
中でもとりわけ大きなカタルシスを得られるのは、やはりステーキではないでしょうか。
分厚く切り落としただけの牛肉を焼く。数分後にはしたたる肉汁ごと飲み干すように平らげる。
この世の中で最も知性に欠けるこの料理こそ、もっとも野生に近く、官能的なカタルシスを伴います。
ステーキしか勝たん(`・ω・´)
そんな非の打ちどころのない官能料理ステーキにも、致命的な欠点が一つだけあります。
それは、
「我々庶民でも買える安い牛肉って、硬すぎじゃね?」
やはりステーキを食べるなら、柔らかいお肉で食べたいと思いませんか?
革靴の底みたいなお肉は嫌ですよね。
血統と飼料と運動をコントロールされて育った箱入りのブランド和牛などは、肉質が柔らかく綺麗に霜が降っていて美味しいですが、そのぶん高価でもあります。
逆に、奔放に育ったストリート系の外国産牛などは、比較的安価に販売されています。
そう。
良いものは高い。
それは資本主義の最大の功績であり最大の弊害でもあります。
そこで今回ワタクシは、愛と科学の力で安いお肉にちょっとした加工を施して柔らか〜いステーキにしてみました。
ご自宅でも簡単にできますので、みなさまも是非お試しください。
題して、
・用意するもの
まず、ステーキ用の牛肉
なんでもいいです。
お財布とお腹の具合に相談してご用意ください。
ブツ撮りの写真は国産交雑牛のもも肉ですが、後日実際の試作ではオーストラリア産のサーロインを使用しました。
次に、「牛脂」
スーパーで無料でゲットできます。
1ダイスあれば充分です。
続いて、「食肉用柔軟剤」
どちらのご家庭でもよく見かける食品添加物です。
ランドリンやレノア以外にも柔軟剤ってあるんだ。ふぅん。
という方は、こちらで入手できます↓
そして最後は「注射器」
こちらも家庭や職場でよく見かける、いたって普通の注射器です。
といっても医療用ではありません。
ドルチェ&ガッバーナも詰め替えできます。
こちらも購入できます。
それでは、レッツ食品添加物ぅ〜!!!
・ルールと調理
世界四大文明といえば、インダス、黄河、エジプト、メソポタミア。
日本の四大財閥といえば、三井、住友、三菱、安田。
では、負けないこと、投げ出さないこと、逃げ出さないこと、と並ぶ試作品を調理するときに大事な4つの要素といえば?
そう。
比較することです。
という訳で今回は、
1、通常のまま焼いたステーキ
2、食肉用柔軟剤で柔らかくしたステーキ
3、注射器で溶かした牛脂を注入したステーキ
以上の三種類を作って比較してみたいと思います。
まず1つ目のお肉は、そのままの状態で焼きます。
塩胡椒と淡路島の玉ねぎスパイスを軽く振ってあります。
このスパイスがあれば、肉料理は全て美味しくなります。
おすすめです。
もう1つのお肉はあらかじめ食肉用柔軟剤をふりかけておきます。
写真ではわかりにくいですが、ただの白い粉です。
末端価格は1ボトルで3,000円くらいでした。
1ボトルで500gです。数ヶ月ではとても使いきれないくらい入ってます。
食品添加物って、安いんですよ。
安いから重宝されるんです。
大手チェーンだと、ガチでこういうの使ってるらしいです。
そして最後のお肉は、レンジで温めて融解した牛脂を、注射器で肉に注入します。これを人工霜降り加工といいます。
やはりこちらも大手ステーキチェーンなどでは日常的に行われている加工なのだそうです。
ブスっ!!
ジュルっ!!!
この行為、職業的矜恃がとってもコテンパンになります。
なんだか悪いことをしている気分になるのです。(´・ω・`)ぴえん。
頭の中で小さめのワタクシが天使さんチームと悪魔さんチームとで左右に分かれて論争をはじめます。
【天使A】「ねえ、お肉に針を刺すなんて良くないよ」
【天使B】「そうよ。とても不衛生だわ」
【天使さんチーム】「「「そうよそうよ!!」」」」
【悪魔A】「うるせー!消費者はコスパを求める時代なんだ!値段相応じゃ満足しないんだよ!」
【悪魔B】「値段以上の付加価値はこうやって作るんだよ!科学はそのためにあるんだ!」
【悪魔さんチーム】「「「そうだそうだ!!」」」
【ワタクシ】「脳内で勝手にダルいやりとりすんなや」
で、下ごしらえをしたお肉がこちら↓
左から「そのまま」「食肉柔軟剤」「霜降り加工」です。
これをそのままフライパンで焼いていきます。
焼きのコツは、とにかく強火で加熱することです。
レアで焼き上げてキッチンペーパーとアルミホイルに包んで3分ほど肉を休ませます。
その間、じっくりと余熱が入り、適度においしくなっていきます。
3分後、繊維を断つように一口大に切って、、、、、、
( ゚д゚)ハッ!!!!
レアすぎ!!!!
やはり当店のコンロでは火力が弱かったですね。(´・ω・`)
焼きながら思ったのですが、なんだかあれに似てませんか。
名前のない遊び。ルールはこうです。
じゃんけんで勝った人が進むことができます。
進める歩数は勝った手によって変わります。
グーならグ・リ・コで3歩。
チョキならチ・ョ・コ・レ・ー・トで6歩。
パーならパ・イ・ナ・ッ・プ・ルで6歩。
この遊び、グーで勝つことによるベネフィットが少なすぎると思いませんか。
グーで2勝とパーかチョキで1勝が同等の褒美なのです。
大変いびつなトリニティです。
とはいえ、パーは同レベルのチョキに負けるし、チョキはあろうことかあのグーに負けてしまいます。
このアンバランスな設定が、かえってこの遊びにゲーム性を付加しているような気がするのです。
で、今回の3種類のステーキ、なんだかこの遊びのゲーム性みたいな部分によく似ていると思いました。
具体的にどう似ているかに関しては上手に説明できないので割愛しますが、ジャンケンの手が等しく1/3ずつだとすると、このゲームの数学的な最適解は全チョキで優勝できるそうです。(豆知識)
あれ、なんの話だっけ?( ´ ▽ ` )
まあいいや。
とりあえず試食サイズに切ってみました。
左から「そのまま」「食肉柔軟剤」「霜降り加工」です。
「霜降り加工」は針を肉の中まで刺してしまっているので、中までしっかり加熱してます。
腸管出血性大腸菌はぴえん超えてぱおん。
って食品衛生責任者のギャルが言ってました。
摂氏100度以上の加熱しか勝たん。らしいです。
・実食
「ステーキ食べたい人〜〜〜??」
「いつだって人の金で肉を食いたい」という人間の習性を生かして、その場にいるお客さんにゲリラ的に配って試食していただきました。
【天使さんチーム】「お客さんに対して『習性』だなんて・・・」
で、
どれも好評でした。
好きな順にランキングしてもらったり、様々な角度から肉をつぶさに凝視してもらったり。夜空に願いを込めて祈ったり。
加工されたステーキも存分に楽しんでいただけたようです。よかたよかた♪
と言う訳で、投票による結果発表ぅ〜〜といきたいところ、
ですが!
今回はワタクシの独断と偏見で採点したいと思います。おれ、ヒトラーと同じ誕生日だし。
【悪魔さんチーム】「じゃあなんでお客さんに食わせたん?」
【ワタクシ】「悪魔が正論言うなや」
それでゃ「結果発表〜〜ー!!!」
まずは、無加工の「そのまんまステーキ」。(←たけし軍団っぽい)
こほんっ。
え〜、そのまんまステーキの点数は、
星、6つですっ!!!(`・ω・´)
【選評】なんの変哲もないサーロインステーキでした。
続きまして、食肉柔軟剤をつかった「食品添加物ステーキ」。(←人力舎のトガった若手っぽい)
え〜、食品添加物ステーキの点数は、
星、8つですっ!!!(`・ω・´)
【選評】明らかに柔らかくなってました。食品添加物ばんざい!!!
最後に、注射器で牛脂を注入した「人工霜降りステーキ」(←第七世代っぽい)
そして、霜降り加工ステーキの点数は、
星、3つです!!!!(´・ω・`)
【選評】個人的に焼き加減は悪くないのですが、油っぽすぎて苦手でした。
というわけで、みなさまも素敵な食品添加物ライフをお送りください!!!!
また次回!!!!
あまった食肉用柔軟剤、パケに小分けにして売り歩こうかな。食品添加物の売人(と書いて”うりんちゅ”と読む)