情意投合



 


 

あ、ども。

中野区で最もブログの更新をサボる男です。

 

とはいえ一方で、お客様から

「ブログ見て来ました」

と言われることが多くなってきたのを実感しています。

 

 

さて、いつか書いたかもしれませんが、飲食店のブログやSNSにありがちな

「○○を入荷しました〜☆本日だけ『ブログを見た』で半額でっす♫」

みたいな訴求に、どうも効果を期待できないのではないかという気持ちがあります。

 

一過性の来店には奏功しても、店のファンになってもらえるとは到底思えないのです。

 

従いまして、ぼくはとりわけ店にまつわるストーリーをお客様と”共有”するという気持ちでブログを書いてます。

 

 

が、物語性を意識するあまり、気づけば1投稿あたりの文字数がどんどん長くなってきているのもまた事実です。

ちなみに、前記事の文字数は1万弱でした。アホですね(´・ω・`)

 

自分で読み返しても文章が稚拙で構成が雑です。もうすこしリーダビリティを意識したブログを心がけたいを思っております。

 

今更ですが、読んでくれてる方には感謝してます。

マジでありがとうございます。

なんなら広告もクリックしちゃっていいんですよ♡

 

 

 

と、思いっきりフッておいて。。。。

 

 

 




 

 

 

 

一ヶ月ほど前の暖かな夜でした。

 

何組かのお客様がお帰りになり、21時をまわった絶妙な時刻にも関わらずポッカリとノーゲスト状態のカウンターでお絵かきをしていると、おもむろにドアが開きました。

 

「あの〜、一人なんですけど・・・」

 

「あ、ども。いらっしゃいませ!(*´∀`*)」

 

三十前後の男性客は、カウンターに座っていたぼくが立ち上がるのを見るや、つかの間、

 

「おまえ、客じゃなくて店員なのかよ」

 

と言わんばかりに驚いた表情を浮かべ、やがてぼくと入れ違いにカウンターへ着きました。

 

 

そう。

のちの”まこっちゃん”との出会いでした。

その男性客がまさか極めて風変わりな人物だとは、そのときのぼくには知る由もありませんでした。

 

 


 

 

「あの〜」

ひとしきり注文を終え、彼のほうから話しかけてきました。

「ブログをみて来てみたんです」

 

「あ、ありがとうございます(*´∀`*)」

 

「一番最近の投稿、面白かったです」

 

「ありがとうございます(*´∀`*)」

 

「(ブログに登場した)TさんとSさんってどんな人ですか?やばいっすよね?」

 

「いやいや、普通のちゃんとした大人ですよ(*´∀`*)」

 

「そうですか?」

 

「ブログに書いたようなエピソードは稀で、普段は店を応援してくれているイイお客さんですよ(*´∀`*)」

 

「会ってみたいです」

 

「時折いらっしゃるんで、通っていればそのうち会えるかもしれないですね〜(*´∀`*)」

 

 

どうやら彼は前述のTとSに大変興味を抱くと同時に、ぼくに対しても好奇心を隠しません。

 

「でもあのブログ、結局、ケータイなくした件を八つ当たりしてるだけですよねw」

 

「そうです、てへへ(*´∀`*)」

 

「お客さんと閉店後に飲みに行ったりするんですか?」

 

「あまりないですね〜(*´∀`*)」

 

「へぇ〜。行けばいいのに」

 

「皆さんお忙しいでしょうし。自分から誘える性格でもないし(*´∀`*)」

 

「人見知りなんですよね?」

 

「あまり自分で言うことじゃないけど、たしかに人見知りです(*´∀`*)」

 

「それもブログに書いてました」

 

「そうでしたっけ(*´∀`*)」

 

「だから今日、勇気を出して来てみたんです」

 

「ありがとうございます(*´∀`*)」

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・(*´∀`*)」

 

「・・・・・・」

 

「でも、まあ、忙しいし。あのブログみたいに飲みに行くのは本当に稀なんですよ〜(*´∀`*)」

 

「ふぅん。おすすめの日本酒ってどれです?」

 

「あ、はい。えっと、こちらが入荷したばかりのやつです(*´∀`*)」

 

「職場がすぐ近くなんですよ」

 

「あ、はい、そうなんですか。お住まいは遠いんですか?(*´∀`*)」

 

「ちょっと」

 

「飲むときはこの辺りが多いですか、それともご自宅のあたりですか?(*´∀`*)」

 

「乗換駅です」

 

今になって思えば、この時点で彼特有の”まこっちゃん性”みたいなものが既に垣間見れていたのでしょう。

 

ブログを読んで来店した彼は、前述のTやSとのエピソードを知っているにも関わらず、一方で彼自身は特に隠す意図なく個人情報の開示を上手に回避していたのです。

 

なんとも言えない絶妙な距離感。

 

まるで互いに向き合いながら円周上をクルクルと回る数学の動く点PとP’が会話をしているような感じ。

 

「どんなヤツがやってる店なんだろうって思って来てみたら、意外と穏やかですね」

 

「えっ(*´∀`*)」

 

「なんか、もっとウェイウェイしてるかなって思って」

 

「そうですね〜。まあ、繁盛店でもないし、ぼんやりやってる感じですよ(*´∀`*)」

 

「他にお客さんもいないし」

 

「なんつーか、えっと・・・・がんばります(*´∀`*)」

 

 

 

点Pとの距離は一向に縮まりません。

 

 

一方で、

 

居酒屋店主兼人間観察家ぼくは、この風変わりな男性客の個人情報をぶっこ抜きたい、じゃなくて、全っ然縮まらない距離を縮めたい誘惑にかられていました。

 

 


 

 

さらに2杯ほど空けたでしょうか。

 

ピンチはチャンスならぬ、「飲酒はチャンス」という格言があります。

 

そう。

今がまさに絶好のチャンスだ!

 

まこっちゃんの頬が少し赤らんだタイミングで、ぼくは点Pとの距離を思い切って縮める一手を打ちました。

 

 

「えっと、お仕事はなにされてるんですか?(*´∀`*)」

 

「えっ」

 

「勤務先がこの辺ってことは、住友ビルですか?(*´∀`*)」

 

もはや中野坂上の吉田豪になったような気分です。

 

「うちのお客さんだと、サンブライトツインにお勤めの方もおおいんですよね〜(*´∀`*)」

 

「あ、○○ビル(自主規制)です」

 

「そうなんですね〜(*´∀`*)」

 

勤務先のビルが判明したら、もうひと押しするのがプロインタビュアー吉田豪です。

 

「スーツのお仕事じゃないんですね(*´∀`*)」

 

「そうですね、私服です」

 

「なに系のお仕事なんですか?(*´∀`*)」

 

「えっ」

 

つかの間の逡巡の後、彼はついにゲーム会社の社員であると白状したのです。

 

 

げーむ!

イエス!

 

まさに願ったり叶ったり!

 

 

三年前にゲーマーの友人が埼玉から都内を引っ越してきたのをきっかけにゲームを覚えたぼくにとって、ゲームはもはや”ちょっと喋れるジャンル”といっても過言ではありません!

 

これを糸口に会話を手繰ればきっと点Pの軌道をひん曲げられるかもしれない!

 

 

距離、縮まるじゃん!

このちょっと変わった人との距離、縮められるじゃん!

 

 

 

「そうなんですね〜(*´∀`*)」

思わず食い気味で論旨をスティールするぼく。

「ぼく最近、友達の家でよくやるゲームがあるんですよ〜(*´∀`*)」

 

 

 

と、その時でした。

 

 

 

ドアの鈴が鳴り、お客様が来店されました。

 

 

 

「いらっしゃいませ!」

 

反射的に出た声と同時に振り向いた先には、なんと、Tが!

 

 

「とりあえず、いつもの」

 

 

一席隔てたカウンターに着いたTが注文すると、まこっちゃんが一瞥します。

 

 

なんということでしょう。

 

 

奇しくも、揃ってしまいました。

 

 

ブログを読んでTに興味をもった男と、当のT。

 

いわば塩素と酸です。

 

混ぜるな危険!

 

woooooooo!

CAUTION!CAUTION!CAUTION!

 

 

人間観察家の直感が、けたたましい警告音を立てていました。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

とはいえ、です。

 

 

Tに興味を持つ男にそれと知りながらTを紹介しないのは、それはそれで不自然です。

 

 

「あの〜、、、」

 

意を決したぼくは、おもむろに言いました。

 

「あの〜、、、、実は、そちらのお客さんが、、、、、」

 

塩素の入った試験管に、慎重に塩酸を混ぜるような気持ちです。

わななきを隠しきれません。

 

 

「そちらのお客さんが、ブログに登場したTくんです」

 

 

 

 

 

「え?!!!!!!!!」

 

 

 

4億デシベルの驚きが店内に響き、次の瞬間、彼はTをこう呼びました。

 

 

「神!!!!!!!」

 

 

 

・・・・・え? なにそれ?(*´∀`*)

 

 

 

「あなたが神なのですね!!!!!!」

 

 

 

さすがのミスター破天荒Tも、これには苦笑です。

 

 

「常連さんですか?」

 

「今日はじめてです! 実は自分、飲み会に呼ばれなくて店を探してここのブログをみつけて読んで」

まこっちゃんはそのまま”自分が今日ここへ来た理由”を矢継ぎ早に説明するのですが、興奮のあまり要点が右往左往してなかなか要領を得ません。

 

 

「は、はぁ。。。。是非この店に通ってやってください。俺も週に三回は来てますから」

 

 

Tは優しいなぁ(*´∀`*)

ぼくが黙って眼の前の顛末を観察していると、T改め神への質問が投下されました。

 

 

「神! ほかにも酔っ払ってやらかしたエピソードありませんか??」

 

 

Tが大人の対応で記憶や指輪を紛失した事件を掻い摘んで話すと、まこっちゃんは瞳を爛々と輝かせ、Tへの信仰心をよりいっそう深いものにしてゆきます。

 

「神!!!いや、神様!! あなたは最高です!!!」

 

 

・・・・あ〜ぁ、新興宗教ってこうやって信者を獲得していくんだろうなぁ。(*´∀`*)

 

 

 

カウンターの隣でホッピーを飲んでいる男は、もはや単なるビジネスマンではなく、崇拝の対象になっているようです。

 

「神! マジでやばいっす! 神ぃ!!」

 

きっと今の彼ならTが拾ってきた石ころさえ高額で買うと言い出さんばかりの狂乱。

 

・・・宗教って、チョロいな( ̄ー ̄)ニヤリ

 

ぼくは思わず、36回払いのローンで石ころを売りつける商売を思いつきましたが、のちに「Tらの集団」という名称で公安調査庁にマークされかねないので、新たなビジネススキームは来るべき時まで温めておくことにし、目の前のヤバい二人の微熱感に満ちた会話を静観する姿勢をとりました。

 

 

 

 

「店長!」

 

しばらくすると、ひとしきり教祖への忠誠を誓ったまこっちゃんが突然、真っ赤な顔をこちらへ向けました。

 

 

「え? あ、はい?(*´∀`*)」

 

「自分のこともブログに書いてください!!!」

 

「ん?(*´∀`*)」

 

「書いてください!」

 

「あ、はい。かしこまりました(*´∀`*)」

 

 

でも、、、、

 

 

「なにを書けばいいですか?(*´∀`*)」

 

「なんでもいいです!」

 

「なにか物語がないと、書けませんよ。。。(*´∀`*)」

 

「なんでもいいんです! 書いてください!」

 

 


 

そうです。

 

 

今日までぼくは決してブログをサボっていた訳ではないのです。

 

 

まこっちゃんの依頼を受け、エピソードをゲットするために彼を泳がしていた、じゃなくて、彼との親交を温めていたのです。

 

 

 

あれから一ヶ月。

 

 

 

まこっちゃんとの親交の中で、ぼくはひとつの確信を得ました。

 

 

「この人、マジで変わった人だ」

 

 

まず、突然スイッチが入って「ウェーイwww」とか言い出します。

それも大学のサークルの飲み会的な「ウェーイwww」ではなく、小島よしお的な「ウィーww」に近いです。キモいです。

 

そして必ずヘロヘロになるまで飲みます。

ヘロヘロの実の能力者です。

お会計のときには必ず支離滅裂な発話をしているのですが、あれは多分スワヒリ語だと思います。

 

さらに、サラッと爆弾発言をします。

いや、爆弾なんて生ぬるいものではありません。

もはや劣化ウラン弾発言です。

 

侵攻するイスラエル軍みたいな男です。

酒とは、彼にとってのエルサレムです。

聖地なのです。

 

 

とにかく、この酒カスまこっちゃん、自らブログに登場させてほしいと要請してくあたりからして、際立った変わり者です。

 

妊娠中の方、肉体疲労時や病中病後の方、未成年の方、虚弱体質の方は特に用法用量を遵守した接し方をして欲しいものです。

 

 

(なお今回の記事、一度書いた文章が全て消えてしまい、書き直した為、更新がさらに遅れました。まこっちゃん、ごめん。待たせたね。ようやく書いたよ)

 

 

 

 

 

 

混ぜるなキケン