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「コミュニティの一生」

 

と呼ばれる有名なコピペがあります。

 

 

【コミュニティの一生】

面白い人が面白いことをする

面白いから凡人が集まってくる

住み着いた凡人が居場所を守るために主張し始める

面白い人が見切りをつけて居なくなる

残った凡人が面白くないことをする

面白くないので皆居なくなる

 

 

2ちゃんねる発祥で、主にニコニコ動画界隈と親和性の高いコミュニティ論です。

 

 

・ぼくの戦略

 

さて、これは開業当時から意識している事案なのですが、

 

飲食業、とりわけ個人店では、”飲食そのものに軸足を置いた運営”と”コミュニティに軸足を置いた運営”とに分けられると思います。

 

「あの名店で十年修行した店主が満を持して独立した」や「全国の酒蔵を自分の足で回って仕入れた秘蔵の銘酒を提供する店」みたいなのが前者で、

 

「常連さんで煽れるローカル店」や「名物店主の店」は後者です。

 

 

メディアで取り上げられやすいのは前者ですが、大多数の個人店は後者です。

 

 

ちなみに、チェーン店は昨今の業界の趨勢的に「コスパ」というスカウターで観察され続けるという意味で広義の前者に分類されると思います。

 

 

ぼくのように腕もキャラも立たない凡人の店は、思い切って後者へ舵をきった運営をすべきだと開業前から意識していました。

 

どのみち努力してもせいぜい「味は悪くない店」程度が関の山だ。であれば、その努力ってやつに我慢ってやつを重ねれば「しかも安い店」くらいのおまけが着く。

 

 

しかし、果たしてそれで事業は持続できるのか。

 

ぼくとて、やぶさかではないが不安は残る。

 

ならば思い切ってコミュニティ形成に注力しよう。

 

 

「ビンゴ大会」や「ボーリング大会」を開催し、同年代の常連さんと閉店後に飲みに行ったり休日に遊びに行ったり、活動こそしないままですが「サバイバルゲームチーム」や「ゴルフコンペ開催」を企画してみたり、ここを、この店を、常連個人が承認される”居場所”にしたいと思い続けてきました。

 

 

さすがに家庭のある常連さんを「休日一緒に飲みに行きましょう」と誘うのは気が引けますが、それでもコミュ障で出不精なぼくなりに頑張ってきました。

 

 

”横のつながり”と意識し、常連さん同士が饒舌に会話できる空間を作りたいと願い続けてきました。

 

 

時には閉店後に常連さんと飲みにいったりして。

 

 

 

・美しい共同体

 

コミュニティは自治によって運営されるべきだと考えます。

 

統治ではなく自治。これは重要な要素です。

 

例えば中野区の区議会議員は住民の投票によって決められます。決して政府や東京都の指名で選出されたりはしません。

 

同様に、店主のぼくが一方的にお客さんに向かって「おい、お前とお前、今週末はゴルフの打ちっぱなしへ行くぞ」と命令するのは道理として問題があります。

 

趣味のあう常連さん同士が自発的に「一緒にゴルフの練習しましょうよ」となるのがコミュニティの理想です。

 

 

つまりコミュニティの自治の完成形とは、コミュニティの構成員が”意思決定”できる場ということだと思います。

 

店サイドの”統治”が介在しない空間。それが最も美しい共同体の形ではないかと思うのです。

 

 

 

・暖かな場所

 

「ビンゴ大会」や「ボーリング大会」を開催し、店を媒介とした”横のつながり”を広めていく。

 

 

ある一定まで、その目論見は見事なまでに奏功しました。

 

 

何人かのお客さんは当店で知り合った美容師さんの店で髪を切るようになったし、「うちの子供を○○さんのピアノ教室へ通わせたい」という声も聞こえてきました。

 

当店を媒介とした”ゆるい繋がり”が産まれているのを感じました。

 

ぼく自身も中古のゴルフクラブを頂いたり、ジムに入会したり、おすすめの店を紹介してもらって一緒に飲みに行ったりしました。

 

連休明けに旅行のおみやげを頂いたことなど数えたらきりがありませんし、あるお客さんの誕生日会を開催したりしました。

 

 

しかし、「ゆるい繋がり」は長くは続きませんでした。

 

僕が標榜したうす味の理想郷は、いつからかそれ自体が目的になってしまっていたのかも知れません。

 

結果と目的を取り違えてしまったのです。

 

 

 

・誤算

 

共同体の構成員がしっかりと自治していれば、”統治権力”は力を失います。

 

デモ運動なんかはまさしくその好例ではないでしょうか。

 

かつての脱ダム宣言のように、市民が自分たちの居場所の未来を自分たちで意思決定したという事例は枚挙に暇がありません。

 

一方で、共同体の構成員に自治の意識がなかったケースや、コミュニティの維持に必要な自治という概念をもたない構成員が存在したりもします。

 

 

いや、そもそも、このコミュニティに叙情的な愛着を持っていないケースがほとんどだったりするのです。

 

 

そういうものを、しっかりと排除しなければならない。

 

「ゆるい繋がり」が恣意的に乱用されるようになってきてしまったのです。

 

 

 

’’’’’’’’’’(詳細は年内に書籍化する予定の「実録☆開業日記~本音版~」に記しますので省略します)’’’’’’’’’

 

 

 

結果、当店で知り合ったお客さん同士が性愛や金銭でトラブルを抱えてしまったのです。

 

 

 

自治的なコミュニティ形成を標榜していたぼくは、

 

「その人とワリカンにすると後がめんどくさいですよ」とか「その人、裏でこっそり元カノとヨロシクやってますよ」とか

 

店サイドから余計な進言はすべきではないと考えていました。

 

お客さんの行く末を案じてのこととは言え、それこそ余計なお節介ですし。

 

 

 

・ゆるすぎた繋がり

 

冒頭の「コミュニティの一生」でいうなら

残った凡人が面白くないことをする

面白くないので皆居なくなる

 

 

「面白くない」を「不愉快」と言い換えてもいいと思います。

 

お客さんは不愉快な思いをして、当店から足が遠のいてしまいました。

 

 

奔放な人間の浅ましい振る舞いによって大切な常連さんを失ったぼくは商業的な意味でも剥奪感を感じてしまいました。

 

 

「こんな後味の悪い結末になるなら、横のつながりなんて作るべきではないのかもしれない」

 

「お客さんに”自分は常連”という意識を抱かせないほうがいいのかもしれない」

 

「”酒グセ”や”自己顕示欲”や”マウンティング”や”大二病”などがぶつかり合ってしまうコミュニティなんて、作るべきではないのかもしれない」

 

「よくある居酒屋の”ナンパ禁止”や”お客さん同士での交友を歓迎しない”というルールにシフトすべきかな」

 

「もっと”出入り禁止”を乱発して客層を選ぶべきだったのかな」

 

 

経営者二年目のペーペーは、自身がことさら苦手な対人関係ってやつで足元の覚束ない毎日をズリズリと歩いていました。

 

 

 

 

・コミュニティ型居酒屋シーンの騎手

 

そんな矢先、ある居酒屋の存在を知りました。

「居酒屋ガツン!」さん。

https://twitter.com/yakitoriya180

 

「デイリーポータルZ」

http://portal.nifty.com/kiji/171024201001_1.htm

 

「せんべろ.NET」

https://1000bero.net/restaurant-645/

 

「 Z TOKYO」

https://ztokyo.net/articles/fammunity_gatsun/

 

 

 

ぬぉ~~~!!!

 

 

行ってみたいっ!!!

 

 

 

 

 

日曜の夕方、向かった先は足立区の「五反野」

 

え? ごたん・・・・・の?

 

「こんばんみ!」の要領で「五反田」の最後の一文字をひねったような駅名です。

 

調べてみると大正13年開業の歴史ある駅だそうです。へぇ~。

 

 

秋葉原から15分ほどで到着。

 

「意外と近いなぁ」降り立った高架ホームから周囲を眺めると、広がる住宅街を夕陽が染めています。

 

が、そんな感慨に浸る余裕はなく、乗降客の波に押し流されるようにして改札階へ。

 

「人、多い!」西武線的なローカル感を想像していたぼくはこの時点で面食らいます。

 

が、それはまだ序の口。

 

改札へ向かっていると背後から突然叫び声が聞こえて思わず振り返りました。缶ビールを持った歯のないおじさんでした。

 

さっそく受ける足立区の洗礼。

 

想定外の人の多さと活気に驚きながら高架橋の脇を歩くこと7分ほど。

 

街道と高架橋が交差するあたりに目的の「居酒屋ガツン!」さんはありました。

 

 

 

「あの、二名なんですけど、入れますか?」

 

まだ6時過ぎなのに店内はほぼ満席です。

 

店主さんの指示でカウンターのお客さんがちょっとずつイスをズラしてくれて、着席完了。

 

ちなみに、店名からは”すぐゲンコツで人を殴りそうなガンコ親父”を想像しがちですが、店主さんはIT社長っぽい感じの若者です。

 

 

生ビール180円。

これって確実に原価割れですよね。。。。

 

 

なんだか申し訳ない気持ちでオーダーすると、出てきたのはしっかりとした中ジョッキサイズ。

 

この時点でスコンっと度肝を抜かれます。

 

 

 

「どういう収益構造なんだろう?」

 

気になってフードメニューを見ると、フードもすべて300円以下。

 

さっそく二本目の度肝が音を立てて抜かれました。

 

 

 

カウンターの張り紙に目をやると、そこには「居酒屋ガツン!の楽しみ方」という張り紙が。

 

 

※当店は普通の『飲食店』ではございません。

コミュニケーションを目的とした『社交場』です。

 

 

いくつあっても足りない度肝を拾い集めていると、気づけば5分後には隣のお客さんとおしゃべりしていました。

 

 

すげぇ(*´∀`*)

 

まるで魔法にかかったような気分です。

 

コミュ障のぼくでも隔たりなく会話できる”空気”が店全体に漂っています。

 

 

そして30分後には、隣の人を隔てて二つ先のカウンターのお客さんとおしゃべり。

こちらの方も初めての来店らしく、やはりメディアでこのお店の存在を知ったとおっしゃってました。

 

 

初対面の者同士が会話するという現象に、ぼくらは何の違和感もなくそれをおこなっていました。

 

 

これこそまさしく「社交場」です。

 

 

隣の方のお話からは、お店に対する愛着が伝わってきます。

 

週3くらいの頻度で通っているそうです。でも決して自分のことを「常連だ」とは言いません。

 

やんわりと自己紹介を終えると、続いて「おすそわけシステム」の説明をしてくれました。

 

300円でお酒の持ち込みOK。さらに店にストックされている他のお客さんの持ち込み品も飲み放題。

 

その方は定期的に電気ブランを持ち込んでいるそうです。

 

「300円でモトを取ろう」という魂胆ではなく、より珍しいお酒や面白いお酒を持ち込みたいようです。

 

そのあたりもある種の”自治”という感じがします。

 

店のルールに乗っかって楽しんじゃえ!という意志が伝わってきて、なんだかこっちまでワクワクしてきます。

 

過去にはマッカランや山崎の12年を持ち込んだ方のいらっしゃったそうです。

 

つまり、モノやサービスと金銭の等価交換ではなく、コミュニティに帰属することに意味を見出しているお客さんがたくさんいらっしゃるのです。

 

 

「時代の三歩先をあるいてる!」

コミュニティ形成を学びたくてやってきたのに、いつからかぼくはその場にいることが楽しくなってきていました。

 

 

 

さらに30分後、背後のテーブル席でバーベキューがはじまるや否や、「どうぞ」とぼくらにもソーセージを振る舞ってくれました。

 

常連客同士でマウンティングしたり自己紹介を超えた鬱陶しいオレバナをする人は皆無です。

 

みなさん、いつからか立ち上がってバーベキューのホットプレートを囲んでます。

 

片手にジョッキを持っておしゃべりを楽しんでいます。

 

和気藹々としたムードと楽しい酒の場が、そこにはありました。

 

 

ちなみにその日は「ガツン!チャレンジ!」の最終日だったので、ぼくも僅かながら投げ銭。

 

「ガツン!チャレンジ!」とは、ポルカやLINEPayや店頭で寄付金を募り、その集まった額に応じて飲食無料デーを実施するというものです。

 

 

そう。

 

もはや事業としての飲食を超越した発想です。

なぜかラッパーの狐火のハンドサインっぽい感じになってるw

 

 

 

そして最後にプロレスラーの方と名刺交換をして、お話した人たちと握手をして帰宅。

 

お店の地下でマットプロレス企画を定期的に実施しているらしいです。

 

もはや飲食店の領域を超えたコミュニケーション空間、それが「居酒屋ガツン!」です。

 

 

とにかく!めちゃくちゃ楽しい!

 

 

 

 

・とはいえ

抜かれまくった度肝を足立区へ置いてきてしまったぼくは、さっそく困ってしまいました。

 

「果たして、当店のコミュニティ形成に応用できないだろうか。いやしかし応用していいのだろうか」

 

「おすそわけシステム」を堂々とパクるのは簡単だけど・・・そもそもぼくは何がしたいんだろう?

 

「おすそわけシステム」を導入したら当店の一部の常連さんが振る舞いを改めてくれるのか?

 

金銭や性愛のトラブルを回避できるのか? マウンティングやミソジニー発言をやめてくれるのか?

 

 

いや、違う。

 

 

それは個人の人間性に問題があるんじゃないか?

 

 

大多数の常連さんは金銭面もクリーンだし、誠実に恋愛している。

 

初対面の相手を女性だという理由でディスったり、勤務先の名前でマウンティングしたりしない。

 

旅行に行けばお土産をくださるし、周囲にも振る舞ったりもしてるじゃないか。

 

 

・・・もしかして、木を見て森を見ずだったのかな。

 

先に帰るからワリカンのお金置いてくね、といって帰っていった常連仲間のお金をそのままこっそりポケットに入れて、別の年長者にカードで支払いをさせる。とか。

 

その場に女性がいるとつい嬉しくなってしまって過度な下ネタや過去のフリンジマンやむりやりキスをする。とか。

 

そんなことするの、一般的じゃないよね。たぶん。

 

そういう人を排除すれば、自治の効いた共同体って作れるのかな?

 

でもそういう人に限って自意識が強いから、「俺らがトップオブ常連」みたいな自己認識だろうし、いきなり出禁にしたら悲しむよなぁ。

 

でも衆愚に自治はムリだよなぁ。

 

う~~~ん。(・∀・;)

 

 

やっぱり店サイドが厳格に統治すべきなのかなぁ~。。。。

 

 

 

 

・検索[コミュニティの一生]

 

悩みに悩んでぐっすり眠った挙句、再度「コミュニティの一生」を検索すると、ここは中野区にもかかわらず、またもや度肝を抜かれました。

 

 

面白い人が面白いことをする

面白いから凡人が集まってくる

 

 

 

え?

一行目で声が漏れました。

 

 

「面白い人が面白いことをする」

 

 

そうか!!

 

 

それだ!!!

 

 

見つけたぞ、新大陸!!!!

 

 

 

そう。

 

 

まずはぼくが面白い人になって、面白いことをする。

 

 

 

そこから初めてみよう!!!

 

 

さすらば、きっと暖かきコミュニティが完成するに違いあるまい!!!

 

 

コミュニティを再構築するのだ。いちから。

 

 

もう「ビンゴ大会」とか「ボーリング大会」とかやめよう!(ぶっちゃけ赤字企画だし。)

 

 

えっと、まずは、そうそう。

 

「面白い人 なりかた」

 

で検索でもしようかな。(*´∀`*)

 

 

 

 

 

※というわけで、「面白いこと」を目下模索中です。がんばります。