あんた、今日は厄日だな。

 

 

あ、ども。

 

昨夜は常連の音楽プロデューサーNORI Shiota さんがいらっしゃってこの度リリースを控えた青木カレンさんの新譜を下さいました。

 

ちなみに今作は全部オリジナル曲と聞いてたし、青木カレンだし、まあ正直そのうち配信版買おうと思ってた矢先なので、超ラッキー♪

 

 

 

さっそくDJ気分でデッキにセットして堪能(*´∀`*)

 

まだ店頭に並んでいない作品なので、店内BGMとしてかけたのは当店が宇宙初。(*´ω`*)

 

そう宇宙初!!!!

 

繰り返しますが、宇宙初!!!!

 

 

宇宙初オンエアって、まるでj-waveみたいな居酒屋だなぁ♪

とショーン・Kことホラッチョ川上になった気分で最新チューンをデリバリーしました。(`・ω・´)

 

 

しかし、良いことばかりじゃないのが人生です。

厄日ってのは何の前触れもなくやってくるようです。

 

 

 


 

 

っっだぁっつ!!!!

 

フードプロセッサーを分解して洗っている時でした。

自分でも驚くほど大きな声が出た次の瞬間、左の親指のハラから大量の鮮血がとめどなく溢れ出しました。

 

うっかりフードプロセッサーの刃を触ってしまったようです。

まるで夕暮れの海原のように洗面器の中はみるみるうちに血の色に染まっていきます。

 

 

 

くぅぅ~痛てぇ。。。。。

 

 

 

言っているそばから流れる鮮血。

 

まるでサウジアラビアの産油量のように湧然と溢れ出る血液に、思わず立ちくらみそうになります。

 

 

蛇口の水にさらしながら傷口を見ると、親指のハラはパカッと開いて内部の肉が見えています。

 

 

 

あーあ、友達が減っちゃたなぁ。

 

友達が少ないぼくは、マッキーで親指のハラに顔を書いてその親指と会話して暇を潰したりします。

しばらくは左手の親指には顔は書けないなぁ。

 

 

絆創膏で指をぐるぐる巻きにして圧迫していると、さらに悪いことは続きます。。。。

 

 

 

 

 

 

 

そうだ!

 

 

せっかくCD頂いたので写真ツイートしようかな。てへへ。

おしゃべりクソリプ野郎の考える事は洋の東西を問いません。

 

 

痛みに耐えて写真を撮ろうとiphoneのホームボタンを押すと、、、、、

 

 

 

あれ????

 

 

 

ディスプレイが映らないよ?????

 

 

 

 

え???

 

 

 

まじ????

 

 

 

なんと、厨房の水を浴びてiphoneが起動しなくなっていたのです。(´・ω・`)

 

 

 

 

 

携帯の水没。

 

いや、携帯の水浴びです。

 

 

 

 

まさに血の気の引く思いでした。

 

 

取引先との連絡は???

頼んでいた見積もりのレスポンスは???

開設したばかりの店のLINEアカウントは???

読みかけのキンドル本は???

 

 

 

動転したぼくは、自分をとりまく総てのことが潰えてしまったような錯覚に陥りました。

 

 

 

親指の友達は死んだ。

店のアカウントも死んだ。

書きかけのブログも消えた。

友達の連絡先も総て紛失した。

 

ぼくに残されたのは、手元の青木カレンの新譜のみ。

 

いや、もはやぼくには青木カレンしかいないんだ!!!

 

カレンだけは絶対に守る!!!

 

顔は全然タイプじゃないけど!!

 

 

 

 

現代社会の病理かも知れません。

 

携帯が壊れただけで、思考回路まで混乱してしまう現代人。それがワタクシです。

 

「嗚呼、もう、どうしよ・・・・・」

 

 

「狂った街だぜ、TOKYO」

 

 

「電波なんてものがあるから、俺は、俺は、こんな目に・・・・」

 

 

廃人の目で般若心経をラップ調にして歌い出す寸前までパニックに陥っていると、カウンターで呑んでいた常連さんが中野坂上の女神を召喚してくれました。

 

 

 

 

 

 

 

数十分後。

待ちに待った女神とのエンカウントの瞬間でした。

 

女神の来店と同時にお絞りとビールを提供し、手短に事情を説明するぼく。

 

「とりあえずLINEですね?」

「はい。とりあえずLINEのデータさえ復旧すれば」

 

 

女神は冷静な判断と十分な知識で解決策を提示してくれます。

 

店のiPadにはデータは連結していません。

ですがパソコンにはデータがバックアップされているはずです。

ぼくのパソコンにはLINEのアプリがインストールされていないので、まずはパソコンにLINEをインストールします。

 

しかし、携帯端末とパソコンを相互に利用して本人認証をする段階になって、事態は暗礁に乗り上げました。

 

そうです。携帯端末そのものが起動しないのです。

 

本人認証ができないのでPC版のLINEにデータを同期できないのです。

 

 

 

ぐぬぬぬ。。。。。。

 

 

 

万策尽きたか。。。。。。。。

 

 

 

「あっ、あたし持ってます」

 

 

 

え?

 

 

 

「使ってないiPhone持ってます」

 

 

 

というと鍵師の手口のような手さばきでぼくの死んだiPhoneからSIMを抜き取って女神のiPhoneへ差し込みなにやら作業を始める女神。

 

 

 

「じゃあまずは・・・・・」

 

 

アップルIDとかiCloudというカタカナが飛び交う店内。

 

 

 

 

アイクラウド???

 

ああ、華原朋美のね。ってそれは I’m proud か(*´∀`*)

 

まさかそんな思いつきのダジャレを口に出したら女神に怒られるかもしれません。

 

アンタが助けてくれって言うからわざわざ来たのよ!!

 

 

 

i’m proudの旋律でア~イ、クラ~ゥド♪と歌い出す頭の中の華原朋美をすみっこへ押し込んで、ぼくはひたすら女神の指示に従うモバイルの奴隷です。

 

 

 

「ここにアップルIDのパスワードを入力して下さい」

 

 

 

・・・・やべえ、忘れた。

・・・・・でもきっとたぶんアレだ。

 

 

カタカタカタ。。。。。。

 

 

 

あ、違った。

 

 

 

・・・・じゃあこっちのパスワードかな。

 

 

カタカタカタ。。。。。

 

 

ああ、よかった。

 

 

 

そんなことを繰り返すこと二十分。

 

 

 

 

 

さっきまで女神の予備携帯だったiPhoneの中身が完全にぼくのiPhoneの死ぬ前と同じ状態で生き返ったのです!!!

 

 

 

すげぇ!!

 

女神すげぇ!!!

 

ぃよっ!!中野坂上のワルキューレ!!!

 

 

 

 

なんだかわからないけれど、とにかく女神はデータをサルベージしてくださいました。

 

 

 

きっと魔法を使ったに違いありません。

 

童貞のまま30歳を超えると魔法使いになれるといいますが、あれはウソです。

 

本当に魔法が使えるのは通信業界に生きる人達です。

 

いやマジで!!!

 

 

 

 

「機種変するまでソレ使ってていいですよ」

 

さすが女神です。慈悲深さでは中野坂上ナンバーワンです。

 

 

ぼくは柄にもなく90度以上腰を曲げて言いました。

 

 

 

 

「超ありがとうございますっ!!」

 

 

 

 

しかし、厄日だ。。。

 

 

今日は本当に厄日だ。

 

 

親指が痛い。明日は庖丁を握れないかもしれない。

 

 

うううぅぅぅ。。。。。

 

 

とにかく気をつけなくては。

 

往々にして悪いことは続くのだから。

 

 

 

 

深夜、自宅まで約15分の散歩道。

 

ぼくは慎重に歩きながら、一日に起こった災難を振り返る余裕すらありませんでした。

 

なにしろ厄日だ。

交通事故にあうかもしれない。

 

わぁ、眩しいっ!!

対向車のヘッドライトが、すべてこちらに向かって猛進してくるような錯覚にさいなまれます。

 

こわい、こわい、こわい。どうしよ。

怖くなって牛丼屋に駆け込もうと思いましたが、やめました。

 

なにしろ厄日だ。

きっと今夜だけは牛丼屋の自動ドアのセンサーが反応しない気がする。

開かない自動ドアの前で立ちすくむ自分。

脳内に流れる禁じられた遊びの旋律。

ガラスの向こうの殺伐とした客の眼差し。

よしんば開いたとしても、注文した商品が今夜に限ってことごとく売り切れ。

話の伝わらない外国人店員。

やむを得ず食べたくないものを注文するぼく。

しかし15分待っても商品は届かない。

だって厄日だから。

 

そんな想像をしたらとても牛丼屋にはいけません。

 

 

空腹のまま、ぼくは再びヘッドライトに怯えて歩いていると、前方からは自転車に乗った警察官が二人こちらへ向かってきました。

 

 

ああ、そうか。

職務質問されるに違いない。

きっと警察官二人組はぼくのことを犯罪者と決め込んで物的証拠を探るだろう。

刃物や謎の植物片や偽造クレジットカードを所持していると疑われるかもしれない。

 

仮に目の前を幼児が歩いていたら、即逮捕だ。

なにしろぼくは見た目がキモヲタっぽいので、とにかく幼児に近づいた時点で逮捕されるに違いない。

 

ああ、夜中でよかった。幸いこんな時間に外出する幼児はいない。

というかぼく以外歩いてない。。。。。。

 

 

 

こちらを睨みながらゆっくりと自転車で通過していく警察官。

 

目を合わせたら負けだ。

 

あらぬ疑いをかけられて逮捕されてしまう。

 

 

不自然にならないように、不自然にならないように。

 

 

そう思えば思うほど、体の動きが不自然になっていく。

 

 

右手と右足が同時に前へ出そうになる。やばい!

 

 

手足の連動を修正しようとして、思わず拍のウラで奇妙なステップを踏んでしまう。

 

 

が、警察官は気付いていない。ラッキーだ。

 

 

ちょっとダンサブルな歩行姿勢の男という演出のために、架空のビートに合わせて首を振ってみると、警察官はそのままぼくのわきを通り過ぎて行きました。

 

 

 

ふぅ。。。

 

危なかった~。。。。

 

 

 

しかしまだ終わっていない。

 

遠足と同じで家に帰るまでが厄日だ。

 

 

 

かえったら妻にフラれるかもしれない。

実はあなたとは遊びだったの。

遊びにしては随分長い気もするし、何故今日で遊びをやめようと思ったのかも謎だが、当然そこは厄日だからだ。

 

仕事の疲れを洗い流すシャワーだって危ない。

人間は水深10センチでも溺死するのだ。

シャワーという断続的な放水で窒息する可能性も否定できない。

 

もう今夜はシャワーを浴びずに寝よう。

 

歯磨きくらいはせめて。。。

 

いや、歯ブラシが喉を貫通するかもしれない。

 

歯磨き粉ではなく間違えて劇薬を口腔内に擦り込んでしまう可能性もある。

 

だって厄日だから。

 

筋トレやストレッチも危ない。

肉離れや炎症を起こすかもしれない。

 

読書もだめだ。

視力が悪くなる。

 

お酒?

急性アルコール中毒になる。

 

 

ああ、もう、どうしたらいいんだ。

 

 

とにかく急いで帰ろう。

 

 

 

若干小走りになりながら無事に自宅へ逃げ込んだぼくは、とりあえずソファーに沈み込んで心を落ち着かせようと呼吸を整えました。

 

 

 

今日の出来事を誰かに話したい。

 

 

ぼくの災難を、その災難具合を人に伝えたい。

 

 

 

あ、そうだ。

 

 

 

女神からお借りしたiPhoneにLINEやメッセージが入ってるかもしれない。

 

 

 

だってこれは物理的には女神のiPhoneですが、中身はぼくのデータ。

 

 

 

きっとしばらく連絡が取れなかったぼくの事を心配して、たくさんの友達からメッセージが届いているに違いありません。

 

 

そしたら相手に今日の出来事を一方的に語ってやるぜ、オレの災難を!

 

 

カバンからなんだか見慣れないiPhoneを取り出してLINEを確認すると、新着メッセージは0件。

 

 

ふぅん。

 

 

ぼくが数時間音信不通になったくらいじゃ、世界はちっとも変わらないんだな。

 

 

そうだよね。

 

 

ふぅん。ふぅん。